[ti:エルの天秤] [ar:Sound Horizon] [al:Elysion~楽園幻想物語組曲~] [歌詞提供:http://myhome.apbb.com.tw/sacksrod/SH] [00:01.36]7.エルの天秤 [00:03.34] [00:03.60]殺人…竊盜…誘拐…密売… [00:07.36] [00:08.02]──悪魔に [00:08.59]魂を売り渡すかのように 金になる事なら何でもやった [00:12.80]問うべきは手段では無い その男にとって目的こそが全て [00:17.38]切実な現実 彼には金が必要だった… [00:20.79] [00:21.85]傾き続けてゆく天秤 その左皿が沈み切る前に [00:26.14]力づくでも浮き上がらせるだけの金が 右皿には必要だった… [00:30.75]そして…その夜も天秤は仮面を躍らせる…… [00:34.53] [00:46.12]闇を纏うように 夜の靜寂を探り 瞳と瞳(目と目)を見つめ合って [00:57.46]夢想的(Romantic)な月燈りに そっと唇重ね 息を潛めた… [01:09.41] [01:09.79]慌しく通り過ぎる 追っ手達を遣り過ごし 手と手を取り合って [01:22.09]戱曲的(Dramatic)な逃避行に 酔った二つの人生(いのち) 愛に捧げた… [01:34.18] [01:34.50]さよなら…(権力の走狗どもには便利なカード) [01:39.76]さよなら…(娘を売れば至尊への椅子は買える) [01:45.67] [01:46.61]身分違いの戀 許されないと知っても ♂(お)と♀(め)は惹かれ合った [01:57.48]嗜虐的(Sadistic)な貴族主義を 蹴って檻を抜け出す 嗚呼それは悲劇… [02:09.50] [02:09.81]運命の遊戱盤(Board)の上で 支配力を求めて 生と死は奪い合った [02:22.22]徹底的(Drastic)な追悼劇を 笑う事こそ人生 嗚呼むしろ喜劇… [02:34.18] [02:34.45]さよなら…(コインで雇った者が裏切る世の中) [02:39.80]さよなら…(他人ならば不條理と責めるは慘め) [02:45.74] [02:46.69]楽園への旅路 自由への船出 逃走の果てに辿りついた岸辺 [02:52.94]船頭に扮した男が指を鳴らすと 黒衣の影が船を取り囲んだ…… [02:58.25] [02:58.88]「お帰りの船賃でしたらご心配なく、既に充分すぎるほど戴いておりますので、けれども彼は、ここでさよなら」 [03:17.18] [03:17.54]「殘念だったね…」 [03:18.61] [03:34.35]「娘さえ無事に戻るならばそれで良い、使用人(オトコ)の方など殺(バラ)しても構わんわ」 [03:45.93] [03:46.51]一度も眼を合わせずに伯爵はそう言った… 金貨(コイン)の詰まった袋が機(テーブル)叩いた… [03:58.71] [03:59.03]いつも人間(ひと)は何も知らない方が幸福(幸せ)だろうに [04:04.74]けれど他人(ひと)を求める限り全てを知りたがる [04:10.96]──何故破滅へと歩み出す? [04:17.24] [04:17.52]華やかな婚禮 幸せな花嫁 運命の女神はどんな腳本(シナリオ)を好むのか… [04:23.89]虛飾の婚禮 消えた花嫁 破滅の女神はどんな綻びも見逃さない… [04:29.36] [04:29.72]嗚呼…燃えるように背中が熱い その男が伸ばした手の先には何かが刺さっていた [04:35.35]嗚呼…緋く染まった手を見つめながら 仮面の男は緩やかに崩れ落ちてゆく… [04:41.17] [04:42.06]嗚呼…その背後には娘が立っていた 淒まじい形相で地に臥せた男を凝視していた [04:47.95]嗚呼…一歩後ずさり何か叫びながら 深まりゆく闇の彼方へと走り去ってゆく… [04:53.78] [04:54.56]──徐々に薄れゆく意識の水底で 錆付いた鍵を摑もうと足掻き続ける [04:59.94]扉は目の前にある 急がなければ もうすぐ もうすぐ約束した娘の── [05:06.35] [05:09.91] [05:13.33] [05:19.16]~終わり~