[ti:見えざる腕] [ar:Sound Horizon] [al:Roman] [00:00.00]Sound Horizon - 見えざる腕 [00:01.25]詞曲:Revo [00:03.25]歌:KAORI、REMI [00:05.25]聲:大塚明夫、若本規夫、保志総一朗 [00:11.25]眠れぬ宵は路地裏の [00:20.11]淫らな牝貓(Chatte)に八つ當たりして… [00:29.41]嗚呼…見えざるその腕で首を絞める… [00:38.55]《夢幻影》(Fantastique)壊われゆく自我(Ego)の痛み… [00:47.85]狂えぬ酔いは屋根裏の [00:56.94]小さな居城(Chateau)を転げ回る… [01:06.25]嗚呼…見えざるその腕の灼ける痛み… [01:15.57]《幻肢痛》(Fantasme douleur)安酒を浴ぴて眠る… [01:25.83]「…アルヴァレス將軍に続けー! 」 [01:32.93]黃昏に染まる古き獣の森に… [01:36.38]戦場で出會った二人の男… [01:39.82]金髪の騎士(Laurant)…赤髪の騎士(Laurant)… [01:43.64]爭いは廻り…屍を積み上げる… [01:47.32]加害者は誰で…被害者は誰か? [01:51.07]斜陽の影に刃は緋黒く煌めいて—— [02:09.73]片腕と共に奪[1001=わ]れた彼の人生 [02:14.85]仕事は干され戀人は出ていった… [02:20.76]何もかも喪った奪[1001=わ]れた最低な人生(la Vie) [02:27.32]不意に襲う痛みに怯える暮らし…… [02:32.66]「大抵の場合(le plus Souvent)… [02:34.35]貴方はうなされ毆るから… [02:38.63]私は…この侭じゃ何れ死んでしまう[1001=わ]… [02:44.38]さよなら(Au revoir)…貴方を誰より愛してる… [02:50.42]それでも…お腹の子の良い父親(Pere)には [02:54.63]成れない[1001=わ]……」 [02:56.92]葡萄酒(du Fine)…発泡葡萄酒(du Champagne)… [03:01.35]蒸留葡萄酒(De l'eau-de-Vie)… [03:02.98]嗚呼…眠りの森の靜寂を切り裂き… [03:05.41]また奴が現れる—— [03:07.66]馬を駆る姿…正に 悪夢…赤い髪を振り亂して… [03:14.83]奮う死神の鎌… [03:19.57]首を刈る姿…正に 風車…緋い花が咲き亂れて… [03:26.61]震う精神の針… [03:31.32]闇を軽るく纏った—— [03:38.63]夢から醒めた現実は [03:41.38]其れでも尚も悪夢(ゆめ)の中 [03:44.04]故に…その後の彼の人生は [03:46.89]酒と狂気…廻る痛みの中 [03:50.41]左の頬に十字傷 赤く燃える髪に鳶色の瞳(め) [03:55.72]奴を…殺せと腕が疼くのだ [03:59.17]『見えざる』腕が疼くのだ…… [04:02.25]誰が加害者で…誰が被害者だ… [04:08.07]死神を搜し葬ろう… [04:13.99]「殺してくれる……!」 [04:17.38]騎士(Chevalier)は再び馬に跨がり… [04:20.35]時は黙したまま世界を移ろう—— [04:41.86]異國の酒場で再び出逢った二人の男(Laurant)… [04:45.29]隻眼にして隻腕 泥酔狀態(Alcoolique)にして [04:49.92]陶酔狀態(Enivre joie) [04:51.05]嗚呼…かっての蠻勇 見る影も無く…… [05:00.17]不意に飛び出した [05:02.62]男の手には黒き剣(Epee Noir) [05:05.94]周囲に飛び散った液體(Sang) [05:08.82]まるで葡萄酒(Vin Noir) [05:11.95]刺しながら…供された手向けの花の名(Nom)—— [05:16.22]「こんばん[1001=わ]」(Bon soir) [05:18.09]抜きながら…燈された詩の名—— [05:21.48]「さようなら」(Au revoir) [05:24.32]崩れ落ちた男の名はLaurant… [05:27.20]走り去った男の名はLaurencin… [05:30.38]もう一人のLaurantは… [05:32.58]唯…呆然と立ち盡くしたまま…… [05:35.61]誰が加害者で…誰が被害者だ… [05:41.35]犠牲者ばかりが増えてゆく… [05:47.25]廻るよ…廻る…憎しみの風車が… [05:53.22]躍るよ…躍る…焔のように… [05:58.93]嗚呼…柱の陰には…少年の影が… [06:05.03]鳶色の瞳で…見つめていた… [06:11.37]「人生はままならぬ……されどこの痛みこそ、 [06:17.50]私が生きた証なのだ」 [06:20.89]復讐劇の舞台を降ろされ… [06:23.02]男は考えはじめる… [06:25.76]殘された腕…殘された人生… [06:29.42]見えざるその意味を—— [06:36.89]杯を満たした葡萄酒… [06:39.62]その味[1001=わ]いが胸に沁みた… [06:55.42]「其処にロマンは在るのかしら?」 「退け。」 「うわぁっ!」 「何者だ、貴様……ぐあぁ!」 「Bon soir……」 「Au revoir……くはははは!」 おわり