[ti:坂の途中の病院] [ar:森山直太朗] [al:太陽のにほひ] [offset:500] [00:00.00]森山直太朗 - 坂の途中の病院 [01:35.81]作詞:森山直太朗/御徒町凧 [01:37.81]作曲:森山直太朗/御徒町凧 [01:39.81]編曲:田中義人 [01:43.81] [01:45.81]坂の途中の病院の患者さんは [01:48.29]主に夏の亡霊たち [01:50.24]彼らは慢性のアトピーを治すために [01:52.81]ニンニクの首飾りをして [01:58.43]月のカケラの靴を履いている [02:00.80]早起きが苦手な彼らは [02:02.21]診察の日は機嫌が悪い [02:03.89](この病院の診察時間は朝の九時までなのだ!) [02:08.56] [02:35.82]坂の途中の病院の院長先生は [02:38.05]白衣の似合う初老の紳士 [02:40.16]彼はギャンブルとアンチョビには目がなくて [02:42.17]聴診器の中にラジオを仕込んでいる [02:48.46]薬の調合をダーツで決めて [02:50.91]天気が悪いと噓の診察をする [02:52.71]だけどこの辺りには他に病院がないから [02:54.51]坂の途中の病院は今日も大忙し [02:56.40]院長先生は去年のクリスマスに [02:58.20]三台目のキャデラックを購入した [03:01.01] [03:25.54]坂の途中の病院に起こった [03:27.18]幾つかの忌まわしき出來事 [03:29.06]その話題に觸れた者はたとえ誰であろうと [03:31.06]始めからこの世に [03:31.85]いなかったことにされてしまう [03:33.46]総理大臣だろうと掃除のおばちゃんだろうと [03:35.72]そこに區別は存在しなくって [03:38.27]ある意味で平等だと言えることが [03:39.71]坂の途中の病院らしさでもあるから不思議 [03:42.58]今夜も捨てられた貓が [03:43.88]どこからともなく集まってくる [03:45.81]眠れないほどの鳴き聲なのに [03:47.67]「鳴き聲で眠れない」なんて [03:48.98]苦情を言う人間(ひと)は誰一人いないんだってさ [03:51.18] [04:15.51]坂の途中の病院は良心的で有名 [04:18.88]看護婦さんたちはとっても丁寧で [04:21.27]忘れ物をしたって真夜中だって [04:22.81]家まで屆けてくれる [04:28.17]子供の飛ばした鼻糞だって [04:29.68]屆けてしまうこともあるくらい [04:31.08]水道水と部屋の溫度は [04:32.34]いつでも患者さんの體溫と [04:33.63]同じにしてあって [04:34.51]あんまり長い間そこにいると [04:36.71]自分の存在さえ忘れてしまうくらいなんだ [04:39.37] [05:05.29]坂の途中の病院にまつわる四つの噂 [05:07.71]一つ目の噂は [05:08.45]二つ目の噂が真実だってこと [05:09.84]二つ目の噂は [05:10.48]三つ目の噂が出鱈目だってこと [05:12.01]三つ目の噂は [05:12.84]四つ日の噂が本當は五つ目の噂だってこと [05:17.84]四つ目の噂は [05:22.17]一つ目の噂が気紛れだってこと [05:24.36]坂の途中の病院は今日も大忙し [05:30.14]待合室に漂っている [05:31.99]バニラビーンズの香りは [05:35.13]昔、行方不明になった友達が住んでいた [05:37.43]ボロアパートの匂いによく似ている [05:42.14]診察待ちの列に紛れ込んだ羊たちの群れが [05:46.69]そこをいつまでもいつまでも [05:49.02]來る日も明くる日も [05:51.77]楽園だと思い込んでいる [05:53.93] [05:56.93]飽きもせず定期健診 [07:14.76] [07:50.65] [08:19.00]おわり