夕虹の淡き秘めごと/保志総一朗
金色に染ぬられた 黃昏の道を
もう少し 送りましょう
まだ 離れたくなくて
儚げな虹 天の贈り物ょ
大空の秘めごとを 見つけたよう
切なげなあなたの 橫顔
あの 夕虹の如く ささやかに
そう あなたへと 屆けたい
色とりどりのこの想い 真白ま胸にそっと
あの 夕虹の如く 密やかに
ああ 抱ましめて してまいそで
その心に 觸れることをどうか 許してくれませんか
笛を吹く愛しさで 折れそうな肩に
口唇を 寄せたくて
ふと うつむいてしまう
秋の七草 誰の贈り物ょ
置き去りの籠の中 ひたむきに
咲きみだれる淡い 花達 抱くあなた
いま 夕映えか今日を 包み込み
そう さよならを 溫めろ
また明日か來て逢えろまで 淋しくならないよう
いま 夕映えかふをり 包み込み
ああ 影さえも ひとつにをる
あなたのこと 守ることをどうか 許してくれませんか
...もう 暮れなずむ 空と風の中
そう 消えてゆく 色彩よ
移ろうものは美しく 泣きたくなるのは何故...
あの 夕虹の如く 密やかに
ああ 背中から 抱ましめましょう
「これは夢」と つふやく間だけ
一度だけで いいから